「答えをもらう場所」ではないカウンセリングの役割
「こんなとき、どうしたらいいんでしょうか」
カウンセリングの場では、そんな言葉が出てくることがあります。
仕事を続けるか、辞めるか。
家族との関係をどうしたらいいのか。
我慢したほうがいいのか、距離を置いたほうがいいのか。
ひとりで考えていると、同じところをぐるぐる回ってしまって、誰かに「こうしたらいいよ」と答えをもらいたくなることもありますよね。
でも、カウンセリングは必ずしも「正しい答えを教えてもらう場所」ではありません。
もちろん、状況を整理したり、違う見方を一緒に考えたりすることはあります。
けれど、最終的にその人生を生きていくのは、その人自身です。
だからこそ、「こうするべき」と誰かが決めてしまうのではなく、
「私は本当はどうしたいんだろう」
「何がつらかったんだろう」
「何をずっと我慢してきたんだろう」
そんな気持ちを、少しずつ言葉にしていく時間も、カウンセリングの大切な役割のひとつだと思います。
人は、誰かに話しているうちに、自分でも気づいていなかった気持ちが見えてくることがあります。
「本当は寂しかったんだな」
「怒っていたと思っていたけれど、悲しかったのかもしれない」
そんなふうに、自分の心が少しずつ整理されていくこともあります。
すぐに答えが出なくても大丈夫です。
今すぐ人生を変える決断をしなくてもいい。
「まだわからない」という気持ちのまま、立ち止まる時間があってもいいのだと思います。
これまで周りのことを優先してきた人ほど、自分がどうしたいのかを聞かれても、すぐには答えが出てこないことがあります。
それは、答えがないということではなく、自分の気持ちを後回しにする時間が長かっただけなのかもしれません。
カウンセリングは、誰かから人生の正解を受け取る場所というよりも、自分の中にある思いや考えを、一緒に見つめていく場所。
そんなふうに考えてみると、少し身近に感じられるかもしれません。
答えを急がなくてもいい。
まずは、「私は今、何を感じているんだろう」と自分に聞いてみる。
そこから始まることもあります。
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